TOEIC®のスコアといえば、まずはLR (Listening&Reading: 990点満点)が思い浮かびますが、SW(Speaking&Writing: 400点満点)もあります。
この記事では、TOEIC Speaking & Writing (TOEIC SW)テストの概要や、実際に受けて感じた注意点をまとめました。
※本ページはプロモーションが含まれています。
- TOEIC Speaking & Writingテストってどんな試験?
- TOEIC Speaking & Writingテストの対策を知りたい!
- 多読・多聴、英語アニメを活用した英語学習を10年以上続けている
- 留学経験なしでTOEIC965点 (新形式:TOEIC960点)
- 米国とのビジネス電話会議など、仕事で英語を日常的に使っている(TOEIC S170 W170点)
仕事で英語を使うなら、スピーキング・ライティングのスキルは重要です!
対策にはこちらの公式問題集がおすすめ!
また、実際の受講者の回答例が記載されたガイドブックの改訂版が2022年12月に発売されました。
TOEIC Speaking & Writingテストの概要 (日程・料金・時間)
TOEIC Speaking & Writingテストとは、スピーキングとライティングという英語でのアウトプットを測定・評価する試験です。
TOEIC Listening & Reading Testと両方受験することで、英語でのコミュニケーションに必要な4技能を測定できます。
TOEIC Speaking & Writingテスト (TOEIC SWテスト)の概要は以下の通り。
- 毎月1回、日曜の午前・午後に1回ずつ実施
- 受験料は10,450円(税込)
※申込期間後の追加申込期間は13,200円(税込) - 試験時間は1時間半程度
LRテストのように一斉に開始するわけではなく、各自がPCで進めていくので、終了時間は人によってバラバラです。
対面での試験はありません。
詳細な日程・申込方法は、公式サイトから確認できます。
TOEIC Speaking & Writingテストの内容・形式
TOEIC SWテストは、最初にスピーキングテストがあり、続いてライティングテストを受けます。
各自が、試験会場のPCで試験を進めていきます。
1. Speaking Testの問題形式 (計11問、約20分)
Speaking Testの問題形式は以下の通り。
試験会場のPCにはマイク付きのヘッドセットが備えられており、解答が録音されます。
Question | 内容 | 解答時間 【準備時間】 | 概要 |
---|---|---|---|
Q1-2 | 音読 | 各問45秒 【各問45秒】 | 4行程度のアナウンス等を音読する |
Q3-4 | 写真描写 | 各問45秒 【各問30秒】 | 写真を見て内容を説明する |
Q5-7 | 応答① | Q5,6:各15秒, Q7:30秒 【各問3秒】 | 電話の応答等の設問に答える (設問は画面に表示される) |
Q8-10 | 応答② (情報の説明) | Q8,9:各15秒, Q10:30秒 【45秒+各問3秒】 | 表示された資料を見て設問に答える (設問は音声のみ。Q10は2回流れる) |
Q11 | 意見を述べる | 60秒 【45秒】 | あるテーマについて意見と理由を述べる |
2. Writing Testの問題形式 (計8問、約60分)
Writing Testの問題形式は以下の通り。PCのキーボードで解答を入力します。
Question | 内容 | 解答時間 | 概要 |
---|---|---|---|
Q1-5 | 写真描写 | 5問で8分 | 与えられた2つの語を使い、写真を表す1文を作成 |
Q6-7 | Eメール作成 | 各問10分 | Eメールを読み、返信メールを作成 |
Q8 | エッセイ | 30分 | 提示されたテーマについて意見を記述 (300 words以上) |
TOEIC S&Wテストのスコア(点数)の目安・平均点・満点は?
TOEIC SWテストのスコアは10点刻みです。
Speakingが200点満点、Writingが200点満点、合計400点満点で評価されます。
テスト結果は、17日後にオンラインで閲覧可能となり、約30日後にスコア表が郵送されます。
各回の平均スコアは公式サイトで公表されており、
2022年11月6日の平均スコアはS:130.4点, W: 145.8点
2022年10月9日の平均スコアはS:129.7点, W: 148.6点となっています。
直近の平均スコアは、各回、Speaking:130点前後、Writing:140-150点前後のようです。
SWテストを受ける層は、英語に自信がある人が多めの印象なので、平均点はあまり気にしないほうがいいかも。
2022年12月に受けた私のスコア表はこちら。
TOEIC S&Wテストを受けるメリット
TOEIC SWテストを受ける最大のメリットは、自分のアウトプット力を数値化できることです。
私自身の経験からも言えますが、TOEIC LRテストで950点以上をとっても、すぐに英語を話せるようにはなりません。
LRは英語の基礎であり超重要ですがあくまでインプット。アウトプットは別のトレーニングも必要です。
TOEIC SWテストを定期的に受けることで、自分のアウトプット力の現在地を確認することができます。
また、TOEICの試験なので知名度があり、スコアをアピールしやすいのもメリットです。
デメリットは、受験料が高いこと…勉強のふしめで受けるのがよさそう。
TOEIC SWテストの対策・勉強法
試験対策などを紹介していきます。
本番のPC操作は実際に受けてみないとわからない部分も多く、ある程度勉強したらまずは1回受けてみるのもありです。
TOEIC SWテストのおすすめ対策本・参考書
1. 公式問題集
TOEIC LRテストの過去問が公開されていないのと同様に、SWテストも過去問はありません。
そこで頼りになるのはこちらの公式問題集。
(タイトルが”ワークブック”となっていますが、公式問題集です)。
各問題の採点基準、実際の受験画面サンプル、例題など充実しており、これ1冊でしっかり対策ができる内容です。
迷ったらまずは公式問題集をおすすめします。
私はパラパラ見た程度でとりあえず本番試験を受けてしまいましたが、次はもっとやりこんでから受けようと思います!
2. TOEIC スピーキングテスト 究極のゼミ
スピーキングテストを重点的に対策したい方には、こちらがおすすめ。
かなり分厚いテキストですが、会話調で解説が進むなど、読みやすい工夫がされています。
アプリで音声を聞くことができるのですが、得点目安ごとのサンプルアンサーが入っており、参考になります。
3. はじめてのTOEIC S&Wテスト完全攻略
公式問題集よりも軽めの1冊で全体の対策をしたい、という方には、こちらのアルクの参考書も。
ポイントが簡潔にまとまっていると感じました。
スピーキングの基礎トレーニングも必要
試験対策は大事ですが、それだけで高得点をとることはできません。
英語のスピーキングに苦手意識がある方は、まずはスピーキングの基礎力を鍛えることが必須です。
個人的には、カランメソッドが非常に効果がありました。
カランメソッドは数十年の歴史がある世界的な学習メソッドで、オンライン英会話スクール(QQ English
質問に対してフルセンテンスで回答するトレーニングなので、きっちりとした文章での回答が求められるスピーキングテスト対策にぴったり。
カランメソッドの解説記事で詳しく紹介しています。
現代版カランメソッドDMEメソッド
TOEIC スピーキングテスト各問題の特徴・コツ
実際に受けた反省もかねて、各問題の注意点などを紹介します。
Q1, Q2:音読【準備各問45秒、解答各問30秒】
表示されたアナウンス文などを読み上げます。固有名詞が読みづらい印象。
発音やイントネーション(高低・強弱)が評価の対象になります。
準備時間45秒はあっという間。声に出して発音しにくい単語を確認しつつ、文章の内容を確認しましょう。
本番の読む時間はたっぷりあるので、落ち着いて音読しましょう。
あせって本番の音読をしたら、時間がすごく余って後悔しました
Q3-4:写真描写【準備各問45秒、解答各問30秒】
画面上にカラー写真が表示され、写真について英語で説明します。
最初に何についての写真かを説明し、次に人が何をしているかを説明する・・・など、自分の中である程度パターンを決めておくと楽だと思います。
公式問題集の例題をつかって、使える表現をインプットしておくのもおすすめ。
Q5-7:応答①【準備各問3秒、解答Q5,6:各15秒, Q7:30秒】
Q5-7では、質問は画面に表示されます(音声も流れます)。
最初に場面設定の説明があり(例:友達と電話している、インタビューを受けているなど)、その後、表示された質問に解答(例:What did you do last weekend?)。
Q5,6は簡潔に、Q7は少し長めに解答するのがよさそうです。
シチュエーションに合った応答の自然さも重視されるため、解答時間が始まったら間を置かずに話し始めることが推奨されています。
解答の自由度が高い分、とっさに内容を考える必要があります
Q8-10:応答②【準備45秒+各問3秒、解答Q8,9:各15秒, Q10:30秒】】
Q8-10では、質問は画面に表示されず、音声で聞き取ります。Q10のみ2回流れます。
画面には、セミナーのプログラム等の情報が表示されており、その情報にもとづいて質問に回答します。
Q8,9は簡潔に、Q10はできるだけ詳しく解答するのがよさそうです。
資料を見て解答するので、Q5-7のように内容を考える必要はないです。
Q11:意見を述べる【準備45秒、解答60秒】
Q11では、表示されたテーマに対し、自分の立場を選び(賛成・反対や、選択肢から選ぶ場合も)、意見を述べます。
その意見を選んだ理由もきちんと説明する必要があります。
準備の45秒では内容を組み立てきれず、難易度が高く感じました
Speaking Testの感想
各設問で準備時間がありますが、予想以上にあっという間です。
英語力はもちろん、「自分の英語力で説明できるそれっぽい解答や意見を、その場でとっさに創作する力」も必要と感じました。
TOEIC ライティングテスト各問題の特徴・コツ
スピーキングテストが終わったら、ライティングテストに進みます。
意外と解答時間が足りないので、時間を気にしながら解答入力しましょう。
Q1-5: 写真描写【5問で8分】
与えられた単語をつかって写真を描写する一文を作成します。
単語は時制や品詞を変えてもOK。文法の正しさも採点ポイントです。
8分の間は、前の問題に戻ったりもできるので、まずは5問を解答しきることが大事。
私は4問目でいい文が思いつかず、考えているうちに5問目の解答時間がなくなるという失敗をしました。。。
Q6-7:Eメール作成【各問10分】
DirectionとEメールを読み、返信文を書きます。
自分がどの立場で返信することを求められているのかという、場面把握が重要です。
私は本番で場面把握を勘違いしてしまい、解答時間終了間際だったので訂正が間に合わない事態に。。
Q8: エッセイ【30分】
Q8では、提示されるテーマについて、論拠を示しながら自分の意見を説明します。
少なくとも300語以上、という採点基準があるため、なんとしてもクリアしましょう。
300語は意外と長いです
ライティングテストはPCのキーボードに注意 (失敗談あり)
ライティングテストはキーボード入力です。
私が受けた会場では、デスクトップ型のPCで、キーボードはかなり古いタイプ。
ノートパソコンのキーボードに慣れている私にとっては、めちゃくちゃ入力しにくかったです。
具体的には、反応が悪い(かなり押し込まないと入力されない)。
本番はただでさえ焦るので、事前に心積もりしておいたほうがいいです。
特にネイルアートをしている方は注意。
私は長い爪で受験したら、ものすごく入力しにくくて大失敗。
(ノートPCだと長い爪でも普通に入力できるのに・・・)
普段仕事で英文メールを書いていることもあり、ライティングはあまり心配していなかったのですが、入力しにくさも相まって予想以上に時間が足りませんでした!
テスト当日の流れ・注意点
テスト当日の流れや注意点を紹介します。受験会場によって多少違いがあるかも。
テスト当日の持ちもの (受験票は届かない, 証明写真は不要)
当日は、身分証明書とマスクが必須の持ち物。
運転免許証を使っている人が多かったです。
TOEIC LRテストでは事前に受験票が郵送されますが、SWテストは受験票がありません。
申込み直後と試験数日前に、受験案内メールが来ました。
スコア表用の証明写真はその場で撮影されるので、持っていく必要はありません。
会場に入る前に、身分証明書以外の荷物はすべて(腕時計も)ロッカーにしまうように指示がありました。
試験中のメモは可能
試験中は、受付でもらった裏紙(A4サイズ)1枚にメモすることが認められています。ペンも受付で渡されました。
メモは試験終了時に回収されます。
解答の構成を考えるのにメモを使えます。実際は時間がなさすぎて、私はほぼ使いませんでした。
試験中の飲食は禁止
試験中の飲食は禁止。スピーキングテストがあるので、会場に入る前にのどを潤しておいたほうがいいですね。
試験中はマスク着用
コロナ対策のため、スピーキングテスト中を含め、常時マスクを着用する必要があります。
その他もろもろ
スピーキングテスト中はヘッドセットを装着。
テストが始まる前に、ボリュームや録音のチェックがありました。
さらに試験の一番最後に、自分のスピーキングテストの録音音声をチェックできます。
なお、同じ部屋内で他の受験生もそれぞれのタイミングで受験しているので、会場は結構さわがしいです。
ある程度スピーキングに自信がある人が受けているのか、結構すらすらしゃべっている受験生が多い印象でした(注:自分の受験に集中しましょう)
TOEIC SWテスト よくある質問
TOEIC Speaking Testとの違いは?
TOEIC Speaking Testは、TOEIC SWテストのSpeaking Test部分のみを受けるものです。
内容はTOEIC SWテストのSpeaking Testと同じです。
受験料は6,930円(税込)と、SWテストよりも安くなっています。
Speaking力のみを測りたい場合は、TOEIC Speaking Testを受けるのもいいですね。
まとめ: TOEIC SWテストを活用しよう!
オンライン英会話などのスピーキング練習をしていても、伸びているのかわからない、ということもあると思います。
スピーキング力やライティング力を伸ばしたい方は、指標として資格試験を活用することで、モチベーションを保ちやすくなります。
アウトプット力の測定に、TOEIC SWテストをぜひ活用してみましょう。
スピーキングの基礎力アップには、カランメソッドやDMEメソッド
無料で受けられる英語スピーキングテスト、PROGOSの紹介はこちら。
TOEIC LRの対策講座の紹介記事も参考にしてください。